(症状のチェック方法と克服法)

この症状はタバコの臭いや猫の臭いなどが異常に気になってしまう状態を言います。

神経症の中に「雑音恐怖」と言われている症状があり、これは周りの音が異常に気になってしまうものなのですが、この音が臭いに代わったものが、臭いノイローゼだと言って良いと思います。

特にきれい好きな奥さんなどの場合、家の中のちょっとした汚れや臭いが気になってしまうことがあると思いますが、これが極端に強くなり、度を越した状態が、臭いノイローゼだと言っても良いと思います。

つまり、本来、誰にでもある感覚が極度に強くなっているのが、ノイローゼ一般に言えることなのです。

これはノイローゼになるような神経質性格の人の特徴から来ていることだと言って良いと思います。
つまり、神経質性格の人は、非常に完全欲が強いですから、ちょっとした変化にも気付きやすいものなのです。
そして、この完全欲にとらわれてしまうと、ちょっとした変化も見逃すことが出来なくなってしまうものなのです。
そして、この対象が身の回りの臭いに向いた状態が、臭いノイローゼの状態だと言っても良いのではないかと思います。

また、対象となる臭いは、自分が嫌いな物の臭いになる傾向があると思います。
つまり、自分が好きな臭いや、当然だと思える臭いに対してはとらわれ、ノイローゼ状態になることはないものなのです。

しかし、絶対にあってはならないと考えている臭いに対しては、「とらわれ」が起こり、ノイローゼ状態になりやすいものなのです。

そして、こういう現象が起こるのが臭いノイローゼの場合の特徴だと言って良いと思います。

つまり、これが臭いノイローゼかどうかを見極めるチェック方法になると思います。

なお、繰り返しになりますが、臭いノイローゼは、雑音恐怖などと同様に神経症(不安障害)から来ていますから、森田療法の考え方を身につけていく中で、臭いに対する「とらわれ」が薄れてくることで、少しずつ根本的に改善してくるものなのです。

ですから、臭いの元をなくそうとして対応するよりも、ある程度の時間は必要になりますが、森田療法の考え方を身につけるようにしていった方が根本的な解決につながると言えるのです。