(症状のチェック方法と克服法)

この症状は、カタカナでガンノイローゼと書くことも多いですが、自分が癌になったのではないかと感じ、落ち込んだり不安になっている状態を言います。

ですから、エイズノイローゼに近い症状だと言って良いと思います。

つまり、不安の対象がエイズから癌(ガン)に代わっただけだと言えるのです。

癌は現在でも、もっとも死亡率の高い病気ですから、癌になることは、どうしても死の恐怖を引き起こしてしまうものなのだと思います。

このため、神経質性格の人は、自分が癌になったらどうしようと不安を感じやすいものなのです。

また、親戚な身近に癌になった人がいたりすると、余計に自分も癌になるのではないかという不安を持ちやすくなるものなのです。

不安神経症やパニック障害の場合は、親戚に脳卒中で突然死した人がいたりすることが多いですが、癌ノイローゼの場合は、親戚に癌で亡くなった人がいるケースが多いように思います。

そして、癌ノイローゼに陥っている時は、ちょっとした体の異常も敏感に感じ、ちょっとした「しこり」を見つけただけでも、大騒ぎし、病院で診てもらうということを繰り返していることが多いものなのです。

自律神経失調症の場合も病院通いをすることが多いのですが、癌ノイローゼの場合も、これを同じようなパターンになっていることが多いものなのです。

また、最近は、テレビの番組で健康をテーマにしたものが多くなり、これも神経質性格の人間にとっては、かえってマイナスに影響しているように思います。

つまり、本当は何万人に一人というレベルの話を真に受けてしまって、自分にも同じ症状があるということで病院で検査をしてもらう人が増えているのではないかと思います。

知らなければ知らないで済んでしまうところ、なまじ情報が入ってしまうために、余計な心配や不安を感じやすくなっているのではないかと思います。

なお、癌ノイローゼも、その根本原因は対人恐怖症やパニック障害などと同様に神経症(不安障害)から来ていますから、森田療法の考え方を身につけていく中で、癌の不安に対する「とらわれ」が薄れてくることで、少しずつ根本的に改善してくるものなのです。

ですから、薬を飲んだりして対応するよりも、ある程度の時間は必要になりますが、森田療法の考え方を身につけるようにしていった方が根本的な解決につながり、良いのだと思います。