この症状は、エイズ(HIV)に感染していたらどうしよう、生きていけない、頭がおかしくなりそうだと不安になり悩んでしまう状態になります。
HIVノイローゼと言われることもあります。
エイズは癌などと並んで、現代でも死亡率の高い難病と言えますので、これに対する不安は強くなって当然だと言って良いと思います。
まして、神経質性格で心配性な人にとっては、自分に心当たりがあると、エイズ(HIV)に感染したのではないかと不安になってしまうものなのです。
そして、このために、何度も検査を受けたり、相手にも検査を受けさせたりすることも多いものです。
特にエイズ(HIV)の場合は、自分が納得した上で性交渉を持つ以外にも、無理やり、強姦されて性交渉を持ってしまう場合もあり、こういう場合は、さらに深刻な悩みになっていると思います。
強姦されたという精神的なショックを無意識のうちに和らげるためにエイズノイローゼになるというケースも、稀にはあるのではないかと思います。
人間は同時に2つの悩みを持つことが出来ませんから、エイズノイローゼになることで、強姦されたというショックや悩みから、ある程度、抜け出すことが出来るのだと思います。
また、エイズノイローゼに悩んでいる人は、一度、エイズ(HIV)検査をしても、まだ不安で安心できず、何度も検査をしてしまうということも多いものです。
これは疾病恐怖特有の症状になりますが、この点も、エイズノイローゼかどうかのチェックポイントになると思います。
なお、エイズノイローゼも、その根本原因は疾病恐怖や強迫性障害などと同様に神経症(不安障害)から来ていますから、森田療法の考え方を身につけていく中で、エイズの不安に対する「とらわれ」が薄れてくることで、この結果として少しずつ症状が改善してくるものなのです。
ですから、抗うつ剤や精神安定剤を飲んで表面的にエイズ(HIV)の不安だけを無くそうとしない方が良いと思います。