(症状のチェック方法と克服法)

育児のストレスから抑うつ状態になってしまう状態が育児ノイローゼと言われている症状になります。

これは子育てノイローゼの一種だと考えても良いと思います。

現代の日本のように少子化が進んでいる状況の中で、この育児ノイローゼに陥る人が増えているのではないかと思います。

戦前の日本のように子供の数が多く、また、核家族ではない状況の中では、母親も今ほど育児に気を使うことがなかったのだと思います。

つまり、祖母や祖父が家の中にいれば、育児の悩みや不安を感じることは、かなり防ぐ事が出来ていたのではないかと思います。

しかし、今は核家族化が進み、育児の相談相手も少なくなっているために不安や悩みを抱え込みやすい状況になっているのではないかと思います。

また、子供の数が少なくなっているために育児や子育てにおいても必要以上に神経を使い、これがストレスになっているのではないかと思います。

ただ、育児ノイローゼという状態になるには、元もと神経質性格を持っているかどうかがチェックポイントになると思います。

つまり、今のような育児にストレスを感じやすい状況においても、神経質性格ではない母親の場合は、それなりに育児をこなしていけるものなのです。

しかし、神経質性格を持っている母親の場合は、感じて当然のストレスや不安を「あるがまま」に受け止めることが出来ないために、育児ノイローゼになりやすいのだと思います。

つまり、時代的な背景と本人の性格によって育児ノイローゼになるかどうかが決まってくると言って良いのではないかと思います。

なお、育児ノイローゼは、その根本原因は対人恐怖症やパニック障害などと同様に神経症(不安障害)から来ていますから、森田療法の考え方を身につけていく中で、育児における緊張や不安に対する「とらわれ」が薄れてくることで少しずつ根本的に改善してくるものなのです。

ですから、抗うつ薬や抗不安薬といった薬を飲んだりして対応するよりも、ある程度の時間は必要になりますが、森田療法の考え方を身につけるようにしていった方が根本的な解決につながると言って良いと思います。

しかし、純粋なうつ病から育児ノイローゼ状態になっている場合もありますので、この点は注意が必要だと思います。

つまり、うつ病などの精神的な病気が原因になっている場合は、抗うつ薬や抗不安薬といった薬を飲んで対応していくことが大切になってくるのです。