(症状のチェック方法と克服法)

この症状は、子犬を育てている時に、赤ん坊を育てるのと同じように、いろいろ悩んでしまう状態を言います。

ですから、育児ノイローゼの犬版と言っても良い症状だと思います。

今は、子供の数が少なくなり、中には子供に恵まれない家庭も増えているものです。
そして、こういう状況が背景となり、犬や猫を飼う人が増えていると言って良いと思います。

今は不況とはいえ、昭和の初期のような困窮した生活を送っている家庭は少なく、ほとんどの家庭は、食べる物に困らない程度の生活を維持することが出来ているのだと思います。
このため、子育てが終わったり、また、子供がいなかったりすると、犬や猫を飼うというパターンが増えているのだと思います。

そして、犬や猫に過剰に愛情を注ぐ結果、育児ノイローゼと同じように、子犬や子猫を育てていく過程で、色々な不安や葛藤を感じるようになり、この結果、育犬ノイローゼと言われている状態になるのだと思います。

ただ、今までも説明してきましたが、ノイローゼというのは神経質性格を持っている人に起こりやすいものなのです。
ほとんどの場合、神経質性格の人がノイローゼ状態になると考えて良いと思います。

ですから、育児ノイローゼの場合も、神経質性格を持っているかどうかがチェックポイントになると思います。

なお、育犬ノイローゼも、その根本原因は対人恐怖症やパニック障害などと同様に神経症(不安障害)から来ていますから、森田療法の考え方を身につけていく中で、子犬を育てる際の不安に対する「とらわれ」が薄れてくることで、少しずつ根本的に改善してくるものなのです。

ですから、むやみに精神科の薬を飲んだりして対応するよりも、ある程度の時間は必要になりますが、森田療法の考え方を身につけるようにしていった方が根本的な解決につながると思います。